元任天堂社員が熱烈任天堂入社希望の青年の話をじっくり訊く in 東京【読者様に会いに行く】

 

こんにちわ。任天堂社員だった管理人のはちく(@hachiku_89)です。

6月頃、私のメアドに一通のメールが届きます。

「任天堂に入社したくて何度も挑戦してるのですが、一次選考を通りません。
『任天堂へ入社したい!』この思いの区切りを付けたいので、任天堂を嫌になってやめたはちくさんの話を聞かせてください」

差出人は東京在住

熱い思いがこめられたメールを読ませて頂き、私は心を突き動かされるものがありました。
それ以上に、この行動力が面白い。

 

でも、このメールには困ったことがありました。
差出人は東京在住だったのです。

そもそも「読者様に会いに行く」企画は、私が時間もお金もないので「福岡で行う」というのが基本姿勢でした。

 

しっかし面白い話だったし、ここで無碍(むげ)に断るのもイヤだなぁと思い、対応に悩みます。。。

かなえる方法を思案したところ、ひとつの妙案が出てきます。
「そうだ、マイルをつかって東京へ行こう」

 

メールを貰って2ヶ月後。
日程調整を行い、はちくは上京するのです。

 

対面

東京は、8月の盛夏にもかかわらず29度と快適な気温
待ちあわせ場所は、事前に決めていた駅チカのスターバックス。
地方民でも安心のロケーションです。

 

定刻通りに到着したつもりでしたが、読者様は先に来ていました。
事前情報から、重度の「任天堂オタク」で、ダサいアキバなオーラをまとった人だろうなぁという想定だったのですが。

目の前に現れたのは、高身長でがっちりとしたスポーツマン体型のイケメン青年が、そこに居ました。
(以降、彼のことを「Yくん」と呼びましょう。)

 

 

席に座ったYくんと目が合います。
互いが目的の相手と認識すると、一気に呼応し、瞬く間に会話が始まりました。

驚きです。
とても初対面での滑り出しとは思えません!

 

▼ピョコタン先生が「はちく」を書いてくれたゲームラボを持参してくれました。Tokyo dokusya

 

 

話は、Yくんからブログの感想を伝えてくれて、それだけも長い時間ずいぶん話が盛り上がりました。
でも、今回の目的はYくんの相談です。

 

 

希望職種は「デザイナー職」
「任天堂に入社したい!」ということで、これまでの略歴等を訊いていきます。

 

Yくんの「経歴・学歴」は、ひと言で言う「紆余曲折」
学校をドロップアウトしたり、レールに復帰したと思ったら関連性の無い方面に興味をもったり・・・。
私よりも遙かに若いのですが、これまで苦難を重ねたであろうと想像がつきます。

非線形的キャリアを形成してきた彼ですが、「中途半端」というわけでは無さそうです。

 

既にデザイナーとして、企業広告に採用されたり驚きの結果を残してきているのです。
通常の美大生では残せない実績でしょう。

困難や苦境を普通のバネでは無く、「爆発的成長」の糧にできる人物ということが分かります。(サイヤ人のように)

 

こういう前例の無い経歴のタイプは大企業は嫌うでしょうが、私にとって興味深く「当たり」の人材を見つけた気がしました。

 

そして、持参していたポートフォリオも確認されて頂いたところ、それぞれのテーマで「悪くない出来」。
彼が得意だと言っていたジャンルでは、「プロ」としてやっていけるセンスです。

それ以外にも、友人と共同で商品企画を行い、そのプロジェクトを成功に収めたとのこと。
豊富な行動力に裏付けられた「実現力」の高さに目を見張るものがあります。

 

あなたは入れない・・・

これらの情報を収集し、わたしは彼にこう告げました。

「君が任天堂に入ることは、人生の無駄遣い」
「遠回りで、時間がもったいない」

 

残念ながら、Yくんは優秀すぎました

彼に伝えたことがあります。
入社面接で見ていることは

「優秀な部下が欲しい」と言う建前と「優秀すぎる部下は要らない。次第に扱いにくくなる」 という本音。

「残念ながら、君は後者だとおもう。」

 


 

世界中のゲームファンに夢を与える世界的事業規模をもつ「京都の中小企業」
それが任天堂。

実体や社風は、「中小企業」というのがマッチします。
質実剛健。そして、上意下達。

少なくとも、多能な君を活かせる会社では無い。

 

デザイナー職で任天堂に入社して、有能多才すぎるがゆえ辞めてしまい、その後新しい世界で大成している人も居る。

 

「例えば、君が持ってきた「会社紹介」
これは、デザイナーの怨念の塊だ。

夢を持って任天堂に入社したけれど、
「シリーズの世界観踏襲」
「創造性の発揮ができるのは、ごくわずか」
「クソつまんない業務にはめ込まれ」
クリエイターとしての鬱憤の吐き出し口が、この「会社案内」なのだ。

 

現実の姿を、私の知ってる限りの情報を、彼に伝えました。

彼は「それでも任天堂に入りたいんです・・・」と眼の輝きを失わせずにつぶやきました。

 

私は、彼を説得できるとはまったく思っていなかったし、そのつもりもありません。
これからの判断材料のひとつになれば、ムダじゃないと思う。

 

管理人はちく(@hachiku_89)のまとめ

前段は、ちょっとシリアスな文章にはなりましたが、笑いが絶えず大いに話が盛り上がったのが本当のところです。
彼とは時間を忘れて、半日以上一緒に話続けましたね。

正直、ここでは書けない任天堂内部の個別具体的な話もいっぱい伝えましたし、Yくんにはエンタテインメントとしても満足してもらえたと思います。

 

 

今回の東京出張企画。
Yくんよりも私の方が得るものが多かったのです。

 

彼は熱心にブログを読んでくれていたようで、歳の上下関係なく率直で忌憚なき意見を頂戴できました。

例えば、恐る恐るやっていた「書評」コーナー
文章が読みやすく、内容も良く伝わると誉めてもらいました。
自分のやっていることに自信が持てました。

 

そして、彼がこれから「破竹の勢い」で読みたい記事

「もっとはちくさんの事を前面に出した方が良いです!!」
「もっと任天堂のことを書いてください!期待してます」

などと言ってもらい、自分の中に踏ん切りのつかない部分で背中を押してもらえたように思います。

 

 

さて、今回の報酬は・・・

「東京の美味しい店を教えてもらうこと」でした。
(実際に行きましたので、近日中に記事を上げますね)

これからもこういう機会を頂けたら、継続的にやっていきたいと思います。
今回、素晴らしい出会いと美味しい東京旅になりました。

ありがとう、Yくん!

1 COMMENT

HACHIKU LOVE

来年から、はちくの日(8/9)になんかどデカイこと、89フェスやってほしいです!!

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