こんにちわ。「任天堂の社員だった人」こと管理人のはちくです。
驚くべきニュースが入ってきましたね。
記事によると、任天堂本体が映画製作に関わる形で、映画制作会社と提携交渉を進めていることを、君島社長が認めたということです。
「任天堂IPの活用」の一環として、映画分野でもライセンス提供する形をビジネス展開するものだとイメージしてましたが、この記事によると任天堂の踏み込み具合が多くの人の想像を超えたものになってるようです。
任天堂信者のピョコタン先生は、以下の歓迎ツイートを残してます。
楽しみ!最近、ピクミンのショートアニメ売ったり、スターフォックスのアニメ作ったり、そっち方面に積極的だったもんね! https://t.co/aOuN08CNmE
— ピョコタン (@pyocotan)
その一方で、ネット上ではこのニュースに危うさを指摘するファンも多く見られます。
私はこう考える
安易な版権貸出で、任天堂IPやブランドの毀損(きそん)を避けるためにも、自ら手掛けることにしたのでしょう。
日本製のソフトコンテンツをハリウッドに輸出した際の多くの失敗を横目に見て、同じ轍を踏まないということだと思います。
しかしながら、「でもねぇ・・・。」と思う部分もあるのです。
2点、疑問を上げたいと思います。
純粋なビジネスとして見た場合、投資の回収率が低くなる判断ではないか?
映画一本を制作するのに、自社のゲームタイトル何本分の制作費を投入するつもりでしょうか?
ゲームよりも、映画のほうが世界中に広く、老若男女ともに受け入れられていますので、収益性は青天井、夢が広がると思いますが、制作単価が高いためゲームよりもハイリスクですよね。
その昔、日本のゲームソフト会社が映画の夢を見て散ってしまったという話が、いまも忘れられずに語り継がれてるわけです。
NX向けゲームソフトやスマホ用ゲームタイトルの開発費に回したほうが、自社のコアコンピタンスを活かせるドメイン選択と思います。
そこまで、リスクを取りに行く理由がよくわかりません。
任天堂社内のリソースの分散
このニュースにあわせて、マリオの生みの親、宮本氏も映画制作に関わるという報道も流れました。
天才ゲームクリエイターの宮本さんが作る映像作品というのも大変楽しみではありますが。。。
それはさておき。
社内において、ゲーム制作部門を中心に有能な人材をピックアップして、映画部門を新設することになるのでしょう。
内部を見てきてますが、皆さんが思うほど任天堂は人材に余裕がある会社ではないです。
これまで、2500人の人員をフル回転して、ゲーム事業に傾けてきた会社でした。
QOLを始め新規事業を起こすごとに、主力のゲーム事業から優秀な出来る人材を捻出するという悪循環が起こっていると思います。
そうなると、自社開発の力が弱まり、外注によるゲーム制作にシフトして行かざる得ませんね。
(ソフト制作部門の合併改組は、見越した判断だったかもしれない気がしてきました・・・。ゾクッ。)
とりあえず、今回の報道では映画作品が出来上がるのは、2,3年後を予定してるそうです。
これからも、映画事業のニュースでは、提携制作会社も明らかになってくるでしょう。
それによって、今の下馬評が一気に変わるかもしれません。
楽しみにしたいところです。
例えば「NXはカートリッジだ」というリーク情報に対して
「安定の日本市場重視に走った。海外からおいていかれる。ジリ貧。」と言う人がいる。
「映画事業に参入」という報道に対して「リスクを取りすぎ」と言う人がいる。
する前から「これが正解だ」なんて分かる経営はない。
後になってから「あれが正解だった」と分かるだけ。
悪手だと思われた一手が結果的に上手くいくこともあるし、その逆もある。
こういうのは経験のある経営者じゃないとなかなか分からないものでしょうね。